いびき/睡眠時無呼吸はこどもでも認めますが、一時的なことも多く、いびきだけで医療施設に受診することはあまりないかもしれません。ただご家族が、お子さんのいびきはそれほどでもないと思っていても、睡眠中の動画や睡眠検査で確認すると強い睡眠時無呼吸を認めることも多くあります。
こどものいびきの多くは扁桃肥大、アデノイド肥大が主な原因ですが、アレルギー性鼻炎/花粉症副鼻腔炎によっていびきが悪化している方も多くおります。
小さいお子さんは鼻呼吸が中心であるため、鼻づまりがあると口呼吸になり、口呼吸がいびき/睡眠時無呼吸の一つの誘因になります。

こどものいびき
/睡眠時無呼吸の主な原因

  • 扁桃肥大
  • アデノイド肥大
  • アレルギー性鼻炎/花粉症
  • 副鼻腔炎
  • 顎顔面形態異常を伴う疾患

最終的には手術療法(アデノイド切除術・両口蓋扁桃摘出術)を行うかどうかになりますが、その前に鼻の治療を十分に徹底的に行うことが重要となります。

こどものいびき
/睡眠時無呼吸の治療

  • 局所治療(鼻処置、副鼻腔自然口開大処置、ネブライザー療法)
  • お薬による治療(アレルギー性鼻炎/花粉症、副鼻腔炎に対する治療)
  • 口腔筋機能療法(口を閉じる練習)
  • 手術療法(アデノイド切除術・両口蓋扁桃摘出術)
  • 歯科による治療(急速上顎拡大などの矯正治療)

アレルギー性鼻炎/花粉症が疑われればまずはアレルギーの検査(採血・ドロップスクリーン)により診断し、環境整備、薬による治療を行います。5歳以上の方で適応がある方には舌下免疫療法をお勧めします。

X線検査やCT検査で副鼻腔炎と診断されれば症状や所見によって膿性鼻汁の培養検査を行います。
そして鼻処置、副鼻腔自然口開大処置、ネブライザー療法などの局所治療を行い、抗菌薬を含めたお薬の治療を開始します。

こどものいびきは鼻の治療を十分に行うことで良くなることも多いと考えます。
しかし、十分な鼻の治療を行ってもいびきが残存したり繰り返したり、睡眠時無呼吸を認めたりする場合には手術療法(アデノイド切除術・両口蓋扁桃摘出術)が勧められます。
手術が勧められる場合、手術を希望される場合には適切な医療施設へご紹介いたします。

こどものいびき/睡眠時無呼吸が長期にわたると、体重増加不良や低身長が出現してきます。そして小学校入学前後になると落ち着きがない、起床時の頭痛、集中力の低下、学力の低下、学校で寝てしまったりと、多彩な症状がでてきます。
そして睡眠時無呼吸や長期にわたる口呼吸によって顎顔面形態が小さくなるといわれています。

小児期の睡眠時無呼吸や口呼吸によって顎顔面形態が小さくなり、成人してからの睡眠時無呼吸のなりやすさを誘導してしまうのは、なるべくなら避けたいところかと思います。
将来への投資と考え、小児期の睡眠時無呼吸や口呼吸は放置せずに、耳鼻咽喉科で適切な、継続した治療を行うことをお勧めします。

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