急性上気道炎(かぜ)

鼻水、咽頭痛、咳、発熱をきたす病気で、通常は1週間程度で改善します。
インフルエンザウイルス感染や新型コロナウイルス(COVID-19)感染でも同じような症状をきたすので、診断には流行の状況を把握した上で適宜検査を行う必要があります。

急性扁桃炎/扁桃周囲膿瘍

口の中の口蓋垂(のどちんこ)の両脇にあるリンパ組織が炎症を起こすと急性扁桃炎になり、咽頭痛やのどの腫れが出現します。
溶連菌などの細菌感染が疑われる場合には、溶連菌迅速検査や培養検査、採血検査を行い細菌性の急性扁桃炎の診断を行い、抗菌薬や痛み止めなどを処方します。
症状の経過やのどの所見、採血検査などからウイルス性の急性扁桃炎が疑われる場合には抗菌薬は処方せず、痛み止めなどの対処療法で対応することもあります。

急性扁桃炎が悪化すると、扁桃周囲の被膜をやぶって、扁桃周囲に膿がたまる扁桃周囲膿瘍に進展します。扁桃周囲膿瘍になると片側の強い咽頭痛が出現し、開口障害(口が開きづらくなる)を起こします。
飲食が困難になり、膿瘍の穿刺や切開排膿が必要になるので入院加療が必要な方が増えてきます。高齢者や糖尿病がある方などは頸部が腫れて、喉頭浮腫や深頸部膿瘍、縦隔膿瘍にいたるリスクが高まります。
そのような病気にまでなると窒息や重症感染症により死に至ることがあります。

咽頭痛、のどの腫れに加えて、頸部の腫れ、呼吸苦を認める場合には緊急での気道確保、手術療法が必要になる可能性がとても高くなります。
そのため受診相談の段階で耳鼻咽喉科のある救急病院での対応をお願いすることがありますのでご了承ください。

喉頭浮腫/急性喉頭蓋炎

喉頭と呼ばれる部分(のどの奥の声帯のあたり)が感染などにより浮腫や喉頭蓋炎を起こすと急速に呼吸苦が生じて、若い方でも窒息で死に至る可能性があります。
診断には喉頭ファイバースコープ検査が必要になります。
喉頭浮腫/急性喉頭蓋炎と診断した場合には耳鼻咽喉科のある救急病院に即座に対応をお願いし、救急搬送を検討いたします。

嗄声(声がれ)

声がかすれた時は、のどの専門家である耳鼻咽喉科の受診がお勧めです。ただのかぜだと思ったら声帯ポリープ、声帯結節、声帯麻痺、喉頭がんであることも珍しくありません。
最近声がかすれている、声をだすのがつらい、ぬけた声がする、などの症状があればまずは耳鼻咽喉科で診察を受け、喉頭ファイバースコープ検査を受けましょう。

当院では細かい病変まで確認できる精度の高い喉頭ファイバースコープ検査を用意しております。

のどの違和感

のどがすっきりしない、違和感がある、異物感がある人は耳鼻咽喉科外来ではよくみられる症状のひとつです。
特に病気が見つからない方もいますが、胃酸が逆流する逆流性食道炎によってのどの違和感がでてくる人も比較的多くおります。
喉頭ファイバースコープ検査や症状から逆流性食道炎が疑われる場合には、胃カメラが可能な消化器内科に紹介いたします。

のどの違和感がある方の中で、咽頭がん、喉頭がん、食道がんが見つかる方がいます。
そのためのどの違和感や異物感が続く方は耳鼻咽喉科を受診し、喉頭ファイバースコープ検査を受けることをお勧めします。